「安全か」という問いには、二つの別々の答えがあります。敷地は安全か、建物は安全か、です。どちらも買う前に分かることですが、データが日本語で、いくつもの行政の制度に散らばっているため、買主はよく飛ばしてしまいます。このガイドでは、主なハザードを一つずつ見ていき、物件ごとにそれぞれをどう示しているかを説明します。分類ではなく、特定の家を判断していただくためです。
空き家は、全体として、買っても安全ですか
「はい」か「いいえ」の一つの答えはありません。リスクは、国ごとではなく、物件ごとに決まるからです。洪水や土砂災害の区域から離れた、平らで安定した土地に建つ、しっかり造られた家は、とても安全でありえます。氾濫原の急な斜面にある、1981年より前の木造の家は、別の話です。安全とは、地図に示せる具体的なハザードと、建物の築年と構造の、チェックリストです。
よい知らせは、そのほとんどが公開されていることです。日本は、詳しい全国のハザードマップを公表していて、建物の建築年代から、どの耐震基準で建てられたかが分かります。大変なのは、これらを、家ごとに一貫して読むことです。それが、まさに、物件ごとのハザード情報の役割です。
洪水のリスクは、どうですか
洪水のリスクは、河川や大雨による浸水想定区域に、物件が入っているかどうかで決まります。日本の公的なハザードのポータルサイトは、想定される大雨のときの、その地域の浸水の深さを示しています。河川沿いの平地で、深い浸水の段階にある家は、繰り返される現実のリスクを抱えていて、改修ではそれはなくなりません。
洪水は、日本で最も多い自然災害の費用で、買主が最も軽く見がちなものです。見に行った日には、家が完全に乾いて見えることがあるからです。大切なのは、「いま浸水しているか」ではなく、「公的な地図が、ここで起こりうるとしていることは何か」です。もとの地図は、国土交通省のハザードマップポータルサイト(disaportal)でご自身でも読めます。読み方は、日本のハザードマップの読み方で説明しています。
土砂災害のリスクは、どうですか
土砂災害のリスクは、急な斜面の上や、そのふもとにある家に当てはまります。大雨のときや地震の後に、地盤そのものが崩れうる場所です。日本は、土砂災害警戒区域と特別警戒区域を指定しており、その中にある家は、地図に示された公的なリスクの下にあります。手の届きやすい空き家の多い、山間の農村では、よくあることです。
土砂災害の区域は、都市のマンションより、空き家にとってのほうが大切です。手の届きやすい農村の家が、谷や山の斜面に集まっているからです。指定があっても、その家が建てられない、保険に入れないとは限りませんが、リスクの様子が変わり、必要な工事や認められる工事に影響することがあります。特別警戒区域に指定されているなら、読み飛ばさず、地元の専門家に相談する理由として受け止めてください。
津波のリスクは、どうですか
津波のリスクは、地図に示された浸水想定区域にある、低地の沿岸の物件に当てはまります。日本は、海岸沿いで想定される津波の到達範囲と深さをモデルにしており、その区域に入る家は、頻度は低くても、非常に深刻なハザードに直面します。魅力的で手の届きやすい沿岸の空き家の多くは、まさに、これが問題になる場所にあります。
理解しておきたいのは、津波のリスクは、まれだが壊滅的であり、より頻繁で、たいていは深刻さの小さい洪水とは違うということです。沿岸の家は、すばらしい買い物であって、なお無視できない津波の想定を負うことがあり、その二つは両立します。地図は、その土地が想定される区域に入っているかどうかを教えてくれます。海の見える景色に心を奪われる前に、決めた後ではなく、知っておきたい情報です。
建物は、地震に対して安全ですか(1981年の基準)
建物の安全について最も大切な事実は、その家が、1981年以降の日本の耐震基準で建てられたかどうかです。1981年6月に、日本は「新耐震基準」を導入し、古い基準よりはるかに強い地震に耐えることを建物に求めました。それより前に建てられた家は、より弱い基準で設計されており、1995年の阪神・淡路大震災では、はるかに悪い結果になりました。
そのため、建築年は、見た目の細部ではなく、安全にかかわる事実です。1981年より前の基準では、建物は中程度の揺れに耐えればよかったのに対し、1981年以降の基準は、激しい地震でも、人命への危険がはるかに少ないことを目標にしています。背景は、国土交通省の建築基準のページで読めます。1981年より前の家が、自動的に危険というわけではありませんが、耐震改修が必要かどうかを調べるべきで、その費用は予算に入れてください。自治体の補助金の多くは、耐震改修を対象にしています。空き家の改修補助金のしくみと探し方をご覧ください。築年から分かることと分からないこと、そして誰が家を調べるのかは、旧耐震基準と、家の状態を確かめる人で説明しています。
この情報の根拠
Engawaは、各物件に、複数の公的なハザードの情報を付けています。土砂災害の区域指定、河川と大雨による洪水の浸水想定、津波の浸水想定、そして、防災科学技術研究所(NIED)が運営する国の地震ハザードステーション、J-SHISの地震ハザードのデータです。建物の年代も割り出しており、その家が1981年の基準より前かどうかが分かります。どの情報にも出典があり、家が地図の区域の外にあるときや、データが少ないときは、安心させるための推測ではなく、リンクとともに「不明」と表示します。私たちは現地を訪れず、状態を直接評価していません。示すのは、地図に示されたリスクであり、安全の太鼓判ではありません。
よくある質問
ハザードの高い空き家にも、保険は掛けられますか。
たいていは掛けられますが、条件と価格は、具体的なハザードと保険会社によります。特に洪水や地震の補償は、指定された区域で、条件が付いたり、保険料が高くなったりすることがあります。所有にかかる本当の費用に影響するので、その物件の見積もりを、早めに取ってください。
1981年より前の家は、やめたほうがよいということですか。
そうとは限りません。1981年より前の家の多くは住むことができ、耐震改修もでき、自治体の補助金がその工事の費用を助けることもあります。ただ、構造の調査と、必要に応じた補強を予算に入れ、総費用に加える必要があるということです。
安い空き家は、すべて危険な場所にあるのですか。
いいえ。価格の低さは、地方の人口減少と結びついているのであって、自動的にハザードと結びついているわけではありません。手の届きやすい家の多くは、安定した、ハザードの低い土地にあります。大切なのは、価格と安全が結びついているかどうかを思い込まず、物件ごとに地図で確かめることです。
家が本当にしっかりしているかは、誰が確かめますか。
資格をもつ地元の建築士や建物調査の専門家が、現地で確かめます。私たちのデータは、地図に示された敷地のハザードと建物の年代を伝えます。行く前に確認すべきことですが、現地での建物調査の代わりにはなりません。買う前に、必ず依頼してください。
正直なまとめ
空き家は、とても安全なこともあれば、本当にリスクがあることもあります。その違いは、公的なデータと、一度の現地の建物調査で分かります。その土地の洪水、土砂災害、津波の地図を確認し、建物の築年を1981年の基準と照らし、専門家による調査を予算に入れてください。雪国では、冬にその家までどうたどり着くかも尋ねてください。雪国の空き家の冬のアクセスをご覧ください。
私たちのカタログのすべての物件が、これらのハザードの情報を、出典とともに載せています。鹿児島や長崎から始めてください。特定の家のリスクの読み方は、チームにご相談ください。定額の料金で、取引金額に応じた手数料はありません。だから、ハザードのデータを、そのままお見せします。